誤った高校野球2部制導入と民間任せ |
猛暑対策とはいえ2部制導入とわけの分からない時間制が導入された。夏の甲子園といえば猛暑の中での戦いは当たり前であった。ここ数年従前とは違った猛暑日が続いているがこの暑さの中に耐え試合に臨むのが高校野球の神髄といえないか、何も精神訓示ではない。当たり前のことが当たり前でないように仕向ける側に問題がある。
いつの間にか高校野球は文科省主催から朝日新聞社主催となった、そのため教育の一環という精神面が薄れてしまい観客導入を目論む経済市場に変わった。そのため近年地元大阪代表校に有利な組み合わせと先攻後攻、また興味を損ねる10回タイブレークの導入と次から次と商売根性が軒並み露になった。
これが高校野球としてあるまじき姿なのか教育関係者はまじめに考えて欲しい。ゲームではない遊びではない勿論見世物ではない、プロスポーツの空気が漂う高校野球が教育として必要なのか。高校野球は教育の一環であることの位置づけをはっきりさせるべきである。アメリカなど世界の流れに同調する理由は全くない。日本の精神性を培い強い人間を形成するのが教育の根幹である。
野球ばかりかサッカーなど教育現場から離れ民間任せの動きが強まってきた。指導する教員不足と安易な手段に捉われては真の教育は成り立たない。教育から離れた活動が生徒たちにどういった影響を与えるか考えてもらいたい。さらに戒めるべきはスポーツ礼賛の精神である。金メダル目的のスポーツであってはならない、格差社会とは経済ばかりかこうした運動能力にも差別がある。一度スポーツで名を上げれば角界の首長、国会議員果ては大臣とこのような社会の仕組みは正しいのか。考えなくてはなるまい。
2025.8