米価高騰は観光政策の表れである

米価高騰と米不足は観光政策の表れである。なぜ今かを考えなくてはなるまい。気象が原因で不作ということは過去にも何度も経験してきた。それを指摘する輩たちや減反政策の過ちと指摘する政治家たち、しかしそれも一因だがここまで高騰する要因には当たらない。はっきり言えば従前より米の需要が大きく増えたということだ、なぜ増えたのかの議論が必要だ。

日本人の米離れと言われて久しい、その反面外国人の日本食への関心はここにきて高まるばかり、これが需要と供給のバランスを崩し米不足から米価高騰の原因になったといってもよい。その根底にあるのが観光政策があったからだ。コロナ期を過ぎここ2,3年観光客の上昇はうなぎ上りの過去最高を記録した。

観光で経済を支えようとしてきた政策の過ちが今表れたといってもよい。増産に踏み切ろうと叱咤しても人手不足と休田を元に戻すには時間と費用が掛かる、余程の儲けが出ない限り農家は踏み込めない。さらに農機具代もばかにできない、一台1000万円前後の購入代金の付けが米価に跳ね返ってくる。

国会は観光政策を進めながらの答弁だから減反政策云々等々的外れの答弁に終始する、はっきり申せと言いたいのだ、観光政策が今日の米価高騰につながった大きな原因であることを。小泉農相は備蓄米の随意契約を打ち出し米価高騰を抑えようと米価を政府が決めそれに指定業者が契約をする。従来の自由競争入札は状況によってよい面もあるが悪い面もある、今は悪い面が出たということだ。その大きな要因が個人業者や外国人業者、飲食業者等の買い占めにはじまり直接生産農家と高値で売買契約を結ぶ、それによって店頭米価はうなぎ上りをしたのである。

観光立国というグローバルな考えが今日日本人の主食である米価高騰につながったことを認めなくてはならない。このままでは備蓄米に頼っても限度があって決して米価は下がらない、寧ろ市場には質の悪い米が出回るだけの悪循環を繰り返すだけであろう。早急に観光政策の見直しと観光業者をはじめ個人業者外国人業者等の規制を図り統一した米の流出経路を打ち立てるべきである。



2025.6


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