米価高騰仲介業者の悪徳商法が原因 |
政府は備蓄米を放出したがそれがどういう経路で流れていくか考えもせずにいたのかと思うと情けないの一言である。9割方はJAが確保しているというがJAすらその後の流通経路は不明なのかと問い質したい。ひとつには素人業者と呼ばれる個人業者や認知されない小規模業者が各地に散在しているからだ。なぜこうした業者が生まれたかの根本は観光優先策の政府の施策にある。彼らは国内外を問わず高値で売れればそれでよいといった個人主義的な輩たちであるからだ。
政府がいかに米の価格を抑えようとしてもこうした観光を狙う事業者がいる限り買い占めは続く、さらに恐れるのは生産者と結束して米の買い付けをわがもの顔で動き回っているからだ。減反政策に始まり備蓄米放出政策と悉く当時では考えられなかった米価の高騰時代になってしまった。米を主食としてきたわが国がこうした仕打ちを受けるのもグローバル社会に賛同し経済優先として観光事業という水商売的な政策に踏み切ったからだ。
観光で儲ける反面それはわが国ばかりか米の需要が海外に広がり世界各国が米食への関心が深まってきたからで、減反政策の裏目が出たたといってもよい。農業従事者の高齢化ばかりではない乾ききった田地を元に戻すにはかなりの年数と費用人力が必要となってくる。水田を畑に転用するそして元に戻すこうした無駄なことを誰が予想した。
米が余れば減反とその場しのぎの政策がいかに貧弱なものか反省しなくてはならない、それと同様観光という水商売がコロナ過では疲弊しそのために給付金等々莫大な支出を余儀なくされた、その観光が復活した今日観光客の増加を喜び観光産業は復活した。その復活の付けが米の需要拡大につながり米の仲介業者と呼ばれる個人事業者や未公認の米業者が増殖し米の需要拡大を煽って高騰になってしまった。
50年以上昔は政府が米の流通を統制していた、各世帯に住民票と一体化した米穀通帳を渡し家族構成によって米の量を指定されていた。この統制が是か非かは別としても主食たる米の拡散を防ぎ米価の安定を生んできた。政府にはこうした政策の良い点を取り入れる勇気を持ってもらいたいものだ。米の自由化が今日こうした悪徳業者を生み、米価高騰時代になったことを本気で反省し観光がいかに日本社会へ悪影響を及ぼしているかを見定める時である。
2025.4