米高騰の原因は観光立国の悪策

ここにきて米の価格が2ヵ月前の2倍に値上がりした、先月比でも6割以上の値上がりである。この大幅な値上がりの原因は何かを考えなくてはなるまい。ひとつに買い付け業者の介入が挙げられる。彼らの目的は旅館ホテル飲食業といった観光業者を狙い新米のうまさを欲しがる者たちへ高値で売り込み儲けるという悪徳商戦である。政府はそのことを承知していても何ら手立てを明かさず備蓄米でごまかそうとしている。

観光対策は世界から米のうまさつまり寿司の人気上昇に伴い日本産米に目を付けそれを目的に観光で日本に留まっている輩も多いだろう。また日本米の人気は彼らのつてを頼って海外へ輸出している仲介業者もいよう。今や農家も商売上手な時世となり農協へ供出するより高く売れる海外へ目を付け始め、ますます日本国内への供給は減少させるばかりである。昨年はむしろ不作どころか豊作であったと伝えられてきた、それがなぜにこうした米の高騰を促しているかは観光業はじめ海外への放出が国内の需要に追い付けないため値上がりを余儀なくされている。

政府農水産相は備蓄米の解禁で多少は値下がりするとにらんでいるがとんでもない、観光業や海外への供給を企む買い付け業者がいる限り何の効き目もない悪策である。なぜ買い付け業者の取り締まりと規制ができないのかも問題である、自由市場の悪策のために取り締まれないというのか、儲け主義に走る買い付け業者へ警告をはっきりと申し渡すことが政府の役割である。

備蓄米を災害でも不作でもないつまり天災でなく買い付け業者という人災が齎していることに厳しい目を向ける必要がある。法的に取り締まれないなら早急に取締法を今国会の中で採択し、買い付け業の自粛と農協への一本化が必要である。観光観光と観光対策が果たして良い結果を国民に齎したか反省を促す。


2025.2


戻る