早急な課題インターネット社会に免許制度を |
私は20年前からネット関係の講師をしている。常に考えたのはインターネットという社会は誰でもが世界中の人間と交流できるという優れモノの反面、ひとつ間違えれば犯罪に結びつくという危険なものとして注視してきた。受講生にはインターネットは自動車社会と同じく免許制度を設けなくては危険な状態になると教えてきた。
さらにセキュリティ問題と対策についても各界の動きを注視してきたが法整備の脆弱性は依然として改善されないまま今日に至った。現在グーグルサイトでの口コミ被害を訴えた医師団がようやく表に動き出したところである。
ネット社会は自己責任ということ公序良俗といったところを重視してきた。ネット犯罪では殺人に関与する事件、誹謗中傷による自殺者の増加といい面ばかり見てきた関係者にとってこれらの実態をどうみてきたか。自己責任とは書き込みにたいして責任をとれるか否かが焦点で無責任な書き込みはマナー違反として強く批判されるものである。ところが匿名という便利な名前で投稿できるにいたってはどこの誰ともわからない人間が無責任な書き込みをおこなうことができ彼らにとっては快感なものとなりうる、そうしたネット社会の欠点をつくような犯罪が今後も多く発生することは避けられまい。
このような危険極まりない社会は自動車社会の被害以上に深刻な問題である、そのためには利用者対象に各自治体が窓口になってインターネット利用資格の免許を交付する仕組みを設定することである。住基ネットやマイナンバーカードはこうしたところに活用してしかるべきである。ネット利用に必要なID、パスワードの交付が基本事項となる。
このように何か問題があっても個人を特定できる仕組みこそネット社会には必要である。グーグルをはじめネット事業者からは反対の意見も出よう、儲け商売に徹する事業者にとっては免許制度の導入は利用者の自由な言動を束縛しネット開発にマイナスの面が多いと指摘するだろう。十数年前講座の中で免許制度を発案したことがあった、その矢先にそれではネット社会が縮退しネット開発にも遅れを取るといった学者レベルの答えが返ってきた。
だが現在の状況をみればそんなことは言っていられまい。事件への関与、中傷誹謗を含めマナーの低下した今日、よい面だけを強調する人間たちも反省しなくてはならない。このことは我田引水的な面が多く研究開発の面でもいえることだ。便利さと世界をリードするといった欲望がとんでもないものを作り出し人間社会に大きな被害をを与えることも現実の問題として考えなくてはならない。
悪い社会とはそうした一部の企業一部の人間たちのために多数の人間が苦しまなくてはならない社会であって、そうした社会から脱皮すべくインターネット社会にも免許制度の導入が不可欠である。
2024.4