高校野球にも黒い霧、先攻後攻の決め手 |
ここ数年来スポーツ界に主催者の作為というものが感じられる。大相撲では大関達景勝の取り組みや対応に対して、また全国高校野球大会の組み合わせや先攻後攻などに作為が感じられる。例えば地元大阪桐蔭高校についていえば9割以上の試合が後攻となっている点だ。先攻後攻どちらが有利かは相手にもよるが大方の見方でいえば後攻に決まっている。特に10回からタイブレークの導入が後攻めの有利を一層強くした。
純真な高校野球にこうした作為を感じるということは甚だよろしくないことだ。昔は文部省が主催であり朝日新聞社は後援者だったと思う。ところがいつの間にか朝日新聞社が主催となった、ここに大きな過ちがある。
全国高校野球は高校教育の一環として行われるべきものである、あくまで朝日新聞社は報道としての後援に当たるのが筋というものだろう。こうした高校野球を取り巻く考え方がグレー色にかわってきたその結果試合の組み合わせから先攻後攻といった抽選若しくはくじ引きでおこなうべきところに作為が感じられるのだ。もし作為があるとしたら八百長である。
更に付け加えれば大阪桐蔭高校は後攻ばかりか時間帯、ダックアウトなどに有利となる作為も表れる。春の選抜では暖かな正午前後夏は涼しい午前か夕方、ダックアウトでは春は日差しの差し込むダックアウト、夏は日よけになる涼しいダックアウトと、細かくみればこうしたとろろにも主催者の作為気配りを感じるのである。
これでは高校野球は勿論のことスポーツとして八百長が暗黙の了解の元で進められてきたことになる。不思議なのはこうしたことに対して異議申し立てをしない学校当局や高野連である。気付かないそんなことはないというのか、そのことに疑いをもつのである。ここ数年の組み合わせをみれば明らかだ、先ず大阪桐蔭高校の初戦は殆どどころか全試合後攻めである。タイブレークの採用を含め力量が拮抗した試合では後攻めのチームが勝利している。
昨日の第二試合、広陵高校対青森山田高校戦をみれば明らかだろう。9回表で3点差とした広陵の勝利は堅いと誰しも思う、ところがその裏青森山田が同点に追いつきあわやサヨナラの場面まで迎えた。このサヨナラという魔物が先攻チームに大きなプレッシャーを与えるのである。タイブレークに入りこのサヨナラの魔物が広陵を苦しめ無得点その裏青森山田は難なく走者を帰しサヨナラ勝ちで幕を閉じた。こうした試合は随所に多くみられる。
教育の一環としての高校野球を取り戻す努力してもらいたい、それには主催者はあくまで文部科学省であるべきだ。なぜこうした民間への移行をしたか。昨今省庁ばかりか地方自治体においても民間委託が多くみられる。財源の問題が大きいとみるが、ここに社会の流れを安易に認めた過ちがある。民間の良いとこばかりを目にし民間の悪いところは目をつぶような政治は良い社会とは言えまい。民間の悪い面は利益を上げなくてはならないところだ。
今回の全国高校野球にしても地元大阪桐蔭高校に肩入れするのは利益のためも含め観客動員数を目論んでのことくらい誰もが分かる。だからこそ一つでも多く試合を勝ち抜くための工作が必要である。全国大会は国民の花形である、サッカー然りである。こうした高校スポーツ界をけがしてはならない。早急に高校野球界の組織の見直しと主催者は文部科学省として発足すべきである。
2024.3