戦争はなぜ無くならない教育の本質を正しく

何故に戦争はなくならないのか、それは人間の性だからと答える学者もいる。人間と他の動物の違いを述べているがほとんど人間以外の動物は同類同士の殺し合いはないという。その昔「猿の惑星」という映画があった。核戦争で地球上の人類が滅亡したその中で宇宙から戻った数人の人間が出会ったのはサルたちの世界である。

猿の長老は人間がなぜ滅亡したかその理由を知っていた、核戦争である。人間をみたその猿は恐れたが嘲笑った「人間はなぜ仲間同士で殺しあうのか」と、まさにこの映画は人間と他の動物の違いを指摘していた。

今まで戦争反対、核兵器廃絶とまた核の恐ろしさばかり子供たちに教えてきたが、本当のことつまり人間は人間同士を殺しあう動物であることを教えなかった。人間の欲望という他の動物に表れない性がなす行動であるということを、欲望を抑えるということは資本主義国家においてはマイナスの面が大きい、誰よりも金持ちになりたいという欲が働きや知恵につながり金を得る、それが国家への貢献になるからだ。

大人たちならだれもが分かってきたこの欲望、これをなくすことは繁栄を阻止することを知っているからだ。物欲という欲がなくならない限り戦争は起こるという結論からどうしたら戦争を防げるかの議論というものが必要になる。子供たちに対しても人間という動物の性をしっかりと教えどうしたら戦争つまり人間同士の殺し合いを防げるかの教育が大切である。

このことにブレーキをかけているのも人間の欲という性であるから始末が悪い。理屈は分かっていても進められないのが現実である。戦争がなくなり平和になった場合最も困るのはどこの国か誰が一番困るかを考えればよい。武器の製造と販売で経済をまわしてきた国が一番困るのである。世界のどこかで戦いがあれば支援といって武器を売り込む、武器がある限りそれを使う側も欲の発散手段となって戦争へと発展する。

戦争が長引けば長引くほど製造会社は儲かる。そのために欧米諸国はウクライナに武器の供与を勧め支援をしてきたといえないか、その反面戦禍に苦しむ人々のための人道支援と人間としての美しい面と醜い面を両立させているのが現実である。こうした実態を見抜き教育現場で教え話合わせることが戦争のない戦争の起らない世界の国づくりになるだろう。

子供からみれば狡い大人たちのために方向が間違っている理論ばかり押し付けられてきたのである。原爆は恐ろしいそんなことはだれもが想像はできる、だがその原爆を使わせないにはどうするといった根本の論議については進めていない。戦争はどうしたら防げるかが主題である。人間の持っている欲という性を抑え込まない限り戦争は無くならないのか真剣に討論すべきである。

ウクライナロシア戦争にしても発端は人間の欲であろう、自由になりたいという欲、仲間を敵方にとられまいとする欲、すべてが欲と欲の戦いの結果である。戦争はどちらが過ちでどちらが正しいという論は成り立たない、すべてが欲と欲のぶつかり合いであり、性の本質を貫く人間の戦いであるからだ。


2023.2

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