前線に立つ日本、日米同盟の在り方を正せ |
日米同盟が我が国にとってどれほどの益を齎してきたか考える必要がある。自動車業界などアメリカに依存してきた企業にとっては有益だったが、ここにきてウクライナ同様日本にとってこれほどやっかいな同盟はあるまい。アメリカの属国としての同盟が牙をむきだしてきたのが現在の状況である。防衛費の増額を筆頭に対ロシア中国北朝鮮への敵対視が牙の矛先となる。
同盟とはいえすべてがアメリカに有利な内容であるからだ、東西対立時の同盟は傘の参加に入ることを良しとして締結に至った。今その危機が現実化しつつある。対ロシア中国を敵に回すような対策はアメリカの動向によって加速したことはだれもが認めていることだ。遠い親戚より近くの他人の諺もある。隣国ロシアや中国を敵に回して何の得策があるというのだ。
ウクライナの現状をみても欧米の前線に立たされたばかりに戦争は長引き何万人という犠牲者を生み未だ戦禍から逃れようとしているウクライナ国民は何万人いるか、リーダーたるゼレンスキーはそのことに対してどう思ってきたか、日本もやがて中国ロシアの攻撃を受けたその時、アメリカの前線に立たされるのは火をみるより明らかである。アメリカや欧米はそのとき何をしてくれるというのだ。
彼らは自国に災いがかからない限り今のウクライナ同様軍隊の派遣はせず、武器の支援と避難民の受け入れなど対岸の火くらいにしか捉えてくれまい。そのことを岸田政府は分かっているのか、サミットに向けて5か国を回り何を語り何を求めてきたのか、ウクライナ情勢をさかなに対ロシア中国への締め付けの協力で一致させてきただけではないか、特にアメリカ訪問では同盟の在り方の確認だけで、改正すべき点についてバイデンに伝え得る力があったか、残念ながら岸田の資質ではバイデンに圧倒され防衛費の増額を誉められウクライナへの支援とロシアへの制裁、また中国への対応の確認で終わったのではなかろうか。
防衛費増額の目的は武器の補強ばかりではない沖縄を含め基地へのさらなる負担を担うためであろう。中国とロシアとさらに北朝鮮との戦争が始まれば真っ先に狙われるはわが国の領土と沖縄の米軍基地をはじめ各地に存在する米軍基地である。彼らは余程でない限りアメリカ本土を攻撃することはしない。なぜなら本土への攻撃は自国にとって大きな犠牲を払うことを知っているからだ。
このままでは日本人に多くの犠牲者が生まれることになる。このことに対して我々は真剣に考えその対応に走るべきである。いつまでも何十年も前の日米同盟を信頼していてはそれこそ日本は属国どころか他国の餌食になってしまう。まさに緊急事態とは今である。欧米に協調するだけでなく中国ロシア北朝鮮と平和のための協調路線を敷くことが大事である。そのための増税、防衛費増額なら国民は納得するだろう。
2023.1