お笑い芸人満載のNHKを問う

今やNHKは民放紛いの法人となった、ニュース以外の番組をみれば常にお笑い芸人の顔が登場する。殆どが吉本興業関係の芸人たちである。受信料を取ってのNHKにしてはおかしな現象である。受信料は税金と同じで公共の金である、だから公共放送といえてきた。その公共放送が一部の企業の芸人で占められているということはすでに公共という名から逸脱している、これでは政党の中にNHK受信料云々の党が生まれたのも頷ける。

それはそれとしてこの一企業の芸人で占めることが果たして公共という場にふさわしいかをNHKに問うのである。お笑いが好きなものはそれでよい文句など言わないが、そうでない者にとってはこれほど迷惑であり不愉快な番組はない、それでも受信料は公平さを保つといったNHK節にのりなるほどと納める。

傲慢なNHKという批判を繰り返すがまさに視聴者の立場に立った番組作りがなされていないということだ。それでも受信料だけは徴収する。一企業と組んで番組制作をするということはその企業支援ににつながりこれも公共放送の名に恥じる体制といえる。過去にも今でもNHKが企業のロゴを公然と流さないようにしているのも公共放送の立場に立っているからだ、忘れてはならない。

昨今では批判をかわすためか民放と組んで番組にも気遣い競合しないように配慮する。災害時の放送もNHKはお笑い番組で民放各社が挙って災害情報を流すといった始末だ。誰もを引き付る災害情報や事件、ビッグスオーツは民放任せ、民放にしてみればコマーシャル宣伝につながり一挙両得を得るといった様である。こうした流れを発案したのはだれかと勘繰りたくもなる。

企業の宣伝を優先とする民放各社は、5,6分おきに流すコマーシャルなど当たり前の時代になってしまった。その原因の一端をNHKが支えてきた。受信料が入れば経営は安泰、民放への番組にも協力できる、民放側は企業に支えられているから吉本興業が発展すればそれで目的は達成される、企業の収益が上がればその分税収も増える、国庫への収入が増す、つまり国を巻き込んでの働きかけがあるということだ。

これではだれが反対しても”馬の耳に念仏”よろしく聞く耳など持ち合わせない。まったく困った社会になった。だが正義という精神はこれを許すことができないからこうしてページを使って糾弾するのであるが、このことを一政党に任せるのではなく政府が聞く耳を持たなければ野党は団結して今のNHKの公共放送という事業にメスを入れ、受信料の使い道を厳しく追求し企業優先の番組作りに反対する、こうでなくては公共放送の意味がないのである。


2022.5

戻る