今のウクライナが日本の将来の姿である

今のウクライナが将来の日本であると危惧する。日米安保の狙いはロシア中国に対する抑止のためというがそれは日本のためではない、アメリカのためであることをしっかりと肝に命じなくてはならない、なぜならば沖縄は中国をけん制するための重要な拠点であって、いかに基地の縮小撤廃を求めてもアメリカは決して受け入れることはない。それはアメリカ自身を守るための重要な拠点であるからだ。

訪日中のバイデン岸田の会談でも再三中国を念頭にした話題が上がっていたが、沖縄基地を前衛として中国をけん制できるからである。遠い親戚より近くの他人といわれるように我が国にとって隣国中国を敵に回すことは国益を損ねる何物でもあるまい。しかしアメリカの立場から見ればそうしたことなど問題外で沖縄という近距離で中国を睨むのは国益になると考えているのは当然である。

この互いの国益の差を埋めることもできず50年の間日本はアメリカ一辺倒で歩んできた。ここに大きな間違いがあった。50年前の学生たちの運動はまさに今日のウクライナ対ロシア戦争において、日本がウクライナとなる日を想定しての運動であったと思う。だが未だに自民党岸田内閣はこのことには少しも疑いを持たず、ますます協調姿勢を崩さなかった。バイデンの狙いは中国の進出をけん制しするための足場が日本であると考えている。

将来米中の覇権争いが現実化すれば日本はウクライナ同様中国のために大きな犠牲を払うことになろう。戦火の中心は日本であるからだ。アメリカは遠く対岸であることをよいことに戦いの主導権を握り日本を前衛部隊として対応させることなど当たり前である。それでよいのかと問いたい。今のうちにアメリカとは「君子の交わりは淡く水のごとし」をもって対応すべきである。今までが小人の交わりのようにアメリカへの依存度が強すぎた。北朝鮮拉致問題においてもなぜアメリカ大統領にお願いしなければならなかったのか、恥を知れといいたいのである。

日米対等の立場とはこのような交わりをもってはじめて現実化するのである。いつまでもアメリカの言いなりになり基地の存続と核の傘下という甘ったれた抑止力に依存してはならない。独立国としてそのための憲法改正を行い、わが日本独自で侵略者に対する抑止力を付けることが最重要課題ではないか。世界はアメリカというアメリカの野心に乗せられてはならないということだ。今のウクライナロシア戦争で多くの犠牲者が出ているのも、アメリカによるウクライナへの武器の支援とロシア制裁といった手出しがその原因となっていることが事実だからだ。


2022.5

戻る