見直せオリンピック種目の過多と公平性 |
冬季オリンピックをみて何と同じような競技の繰り返しかとうんざりもする。特にフィギャースケート、カーリングについては団体戦個人戦と競技日程も多く取られている。カーリングなどは一試合が2時間を超える場合を考えれば競技方法つまり予選決勝への道のりを見直すべきである。このほかスキー競技も団体個人戦と2種の競技に分かれてがひとつに見直してほしいものだ。
その反動からか、従来から冬季オリンピックといえば花形だったスピードスケート、アルペンスキーが影をひそめてしまったのは残念である。また公平性の面から指摘するとスピードスケート500メートルでは従来インアウトを変えて二回の記録の合計点で順位を競った。理由は簡単でインとアウトスタートでは記録に不公平差がでるため二回としたものである。
また、1000メートルなどはインアウトの差が顕著に表れる、専門家諸氏もそれを認めているから尚更残念だが、今回もアウトスタート選手がインコースからアウトに出るときアウトからの選手優先の規則のため立ち往生するケースが何回かあった。これなどコース環境と規則による弊害といわざるを得ない。500メートルにしても選手の間でもアウトが滑りやすいというようにアウトからインに入っていくその滑りのほうがインからアウトに出ていくより滑りやすく速力も増すという。それが記録に直接影響もする。
これはスケートそのものの進化にもよる、昔はインスタート有利とされていたそれはコーナーワークに関係する、つまりインからアウトに出る方が遠心力も加わり記録も伸びるという説もある。スケートの進化はコーナーワークの難しさを解消したため反転し現在のようにアウトスタート有利となった。いづれにしてもインとアウトでは記録に差が出ることは確かだ。競技をみても1000メートルはインコーススタート、500メートルでは、アウトコーススタートの選手が殆ど記録が勝っているのが判る。公平性の点からも従来のようにインアウト二回の記録合計に修正すべきである。
こうしたことも従来に比べ年々競技種目が増えたことに原因のひとつがある。各競技の個人団体戦のあり方、また遊びの延長のようなスノーボード、モーグルの登場が挙げられる。選手たちは反発するだろうが第三者の立場で見ればゲームごっこか軽業師のショーの延長であって、とてもスポーツといえるものではない。その理由のひとつに審査の目という他力が入っているからである。これはフギャースケートにもいえることだが・・・
冬季ばかりか昨年の夏季オリンピックにも言えることで、とにかく種目の過多がオリンピックという祭典の根幹を揺さぶりすべてにお遊び要素が多く人類の祭典としては疑問視する競技があまりにも増えてしまったことだ。冬季では、スキーアルペン、ジャンプ、距離競争、スケートではスピードスケートを柱に、夏季では、陸上、水泳競技を基軸にオリンピック競技として何がふさわしいか今一度検討し次回に向けて見直すべき点は山ほどある。
2022.2