情けない森前会長発言とメディアの在り方

本当に情けない世の中になった。皆さんそう思いませんか「女性が多くいる理事会は時間がかかる・・・」との発言をめぐり、女性蔑視とえらい剣幕でメディアは流す。話の前後や発言の真意を正さず当該の発言を追及し、挙句の果てに森氏を辞任に追い込んだ。森氏は昭和10年代の生まれである。じいちゃんになっても一線で活躍しているとこうした時代錯誤な発言だって飛び出すだろう。メディアも「そうかと」太っ腹で聞き流す度量が必要であるのではないか。

さて、女性が多いと会議が長くなるということは本当か、そこへ的を絞って正すのが本道である。その結果、根拠のない発言であったなら森氏の発言を厳しく追及し会長としての資質不足を指摘する。反対に森氏の長い経験の中で女性が多くいる会議は長くなるということが事実であるならば「なるほど」と頷くだけのことだ。今回の発言に限らず常にメディアは言葉の前後、話の成り行きについては明らかにせずスキャンダルになりそうな発言の一部だけを取り上げる。ここに大きな過ちがある。

その昔、中国ではチンと呼ばれる架空の小鳥がいた。あることないこと(今でいうフェイクニュース)を流し重要ポストの人物を辞任に追い込んでしまうという話であるが、民主主義の時代は何でもかんでも自由と嘯く者たちもいる、そこに自己中心的なわがままな精神がみえる。自由とは規制や束縛があっての自由である。

女性を特定してこうだと決めつけることへの反感が生んだ結果であるならば、特定してはいけないという規制が張られているからだ。報道の自由にあっても何でもかんでも自由のはずはない、事実以外の忖度した報道は規制しなくてはならない、それほどに社会に与える影響は大きいからだ。言い換えればメディアには社会的に大きな責任を背負っているといえる。だからこそことの事実を確認した上で事実だけを伝えることが重要といいたいのだ。

また、情けないというのは歴代総理大臣に始まり今日までわが国のトップたちは、記者の質問に神経を使い言葉選びに気を使い過ぎ、国民や社会に伝えなくてはならない本音の言葉を伝えることができない、それは選挙というメディアの流す情報の影響が大きいからだ。日本ばかりか欧米しかり、民主主義を基本としている国ばかりである。その点共産圏の中国北朝鮮などはチンという小鳥を取り締まって自国に不利な情報はカットすることなど当たり前に行ってきた。

どちらがよいか、一言では言えない、だが、自由だからといって忖度された情報はそれを受け取る側の資質にもよるが誤った捉え方行動を起こす元にもなる。国としてみれば誤った方向へ進んでしまう恐れがある。森氏の発言がもし事実であるなら、会議というものは井戸端会議よろしく長々と行うものではない、と批判する諸外国に対してきっぱりと言い切り指導する側に立てばよい。諸外国に振り回されるような日本であってはならない。


2021.2.28

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