黒い霧覆う大相撲名古屋

黒い霧覆う名古屋場所とは、大関貴景勝の連続二場所休場の陰にある。これだけの人気力士が先場所に続き休場となればテレビでも大きく何度でも取り上げてしかるべきところだが、初日のNHKテレビ実況を後半戦から見たが貴景勝には一切触れていなかった。なぜ休場かその理由も定かでないまま初日を終えた。あとで貴景勝が休場だったことをネットサイトで知るといった具合になぜ放送中に取り上げなかったか、と疑問がわいた。NHKといえば大相撲放送は独占でかつ相撲協会の要職を占めている。

こうしたこともあって、なぜだという疑問がわいたのである。思えば貴景勝の優勝から大関までの足取りを振り返ってみてもそこには何かしらの作為というものが感じられることもあった。貴乃花部屋解散、そして世間の目は部屋に残された力士への同情が集まったことも当然のことだ。一時は横綱稀勢の里の進退問題など各界は大きくゆすぶられていた昨年、大相撲人気も稀勢の里引退で下火になるのではないかと気にする御仁も多かったであろう。

そうした相撲界に長野出身の御嶽海が昨年優勝し大関一番手と目されたが、どうしたものかNHKの放送体制はむしろ冷ややかに関脇在位中二けた勝利がないなど批判的な姿勢も見られ、さらに御嶽海の取り組みとなると映像を他の場面にすり替えるなど悉く意地の悪い放送をしてきた。その裏に何があった、長野県出身のスポーツ選手は特に駅伝でもそうだが優勝候補にも係わらず、兵庫県、愛知県だ福岡県だと完全に長野を無視した放送ばかり目立ち後味の悪い放送だった。

御嶽海にしても長野出身である、そうしたNHKの土壌が御嶽海をスターから引き落としそれに代わるスターを育て上げるといった憶測も生まれるのも致し方ない。宇良がそうであるようにそのあと貴景勝が急激に力をつけ小結に上がり優勝まで漕ぎつけた。しかしその裏で何があったか本人もわからない取引があったのではないかと疑惑が浮かんだ。さらにそれまで優勝経験のない関脇玉鷲が優勝する場所もお膳立ての上のように受け取れた。

14日目だったか、横綱白鵬戦、土俵際まで追い詰めた白鵬が突然くるっと背を向けた、そこを玉鷲は背後から白鵬を押し出した相撲を見るにそれまでの白鵬をみてどうしたものかと、あと一押しで玉鷲が土俵を割るのになぜ背を向けたのか、ここにも疑問が残った。勝った玉鷲は2敗を維持し優勝した。この場所も玉鷲と貴景勝の優勝争いに注目し放送してきたNHK、両者をスターよろしく追っかけ中継も甚だしい限りであった。

貴景勝に戻すが、先場所御嶽海との一番で足を痛めたという理由で途中から休場した。テレビで見る限りこの相撲は貴景勝が押し出して勝った相撲である。どうして足を痛めたかは本人以外わからないだろう。そして3日後再び再出場したが連敗を重ね休場せざるをえなかった。大関昇進後のことである。そして今場所休場、その情報は前にも述べたように大々的には取り上げなかった。この疑問をどう説くべきか。大関陥落は明らかになった今、こうした一連の取り組みや放送を見てこれが正常な相撲界かと疑惑が増したのである。

思えば栃ノ心の平幕優勝から関脇へ一気に昇進し大関へと上り詰めた1昨年、その栃ノ心の今場所の成績、また稀勢の里が横綱に昇進したその土俵、横綱不在の中での優勝であっても何年ぶりかの日本人横綱の誕生と相撲界の人気者に仕立て上げてきた。その主役はだれか、NHKを含め相撲界の人為的な策があってこうした相撲社会を作り上げてきたのではないかと疑惑は広がるばかり。

取り組みにしても前日まで分からないといった今日の撲界の規則、昔はこんなことはなかった、余程のことがなければ前日に決めることなどなかった。相撲界の審判部をはじめ取り組みを決める関係者に何らかの作為を感じ、グレーな空気を感じてならない。NHK独占の相撲放送もこれが公共放送かと疑うような注目力士に絞り込みその映像ばかり流す放送も非常に不愉快この上のない放送姿勢だ。ここ何場所か横綱大関陣の休場、途中休場があまりにも多い。これらを考えると意図的な示唆が相撲界に感じてならないのである。


2019.7

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