談合ありか白けた大相撲初場所? |
談合ありか大相撲初場所も千秋楽を迎えた。両関脇の予想外の活躍の裏に何があったか、途中出場の御嶽海に完敗した白鵬の連敗そして休場、これはどうしたことか誰しも思ったに違いない。白鵬の負け方にも疑問が湧く、12日目の玉鷲戦、両者つっぱり合いの攻防後土俵際に攻め立てられた玉鷲が俵伝いに回り込む、その瞬間白鵬の態がくるっと後ろ向きになった、すかさず玉鷲が背後から白鵬を押し出した。13日目の貴景勝戦、申し合わせたかのようにこれまた両者突っ張り合い、前に出ようとした白鵬,その瞬間貴景勝のはたきにばったりと手をついた。
さてこの2番、今までの白鵬には考えられない戦いぶりである。どこか故障しているのか、10日目までは危なげない戦いで来た白鵬だけに何故という疑問、そして思わぬ休場、どれひとつ取っても不可解な初場所であった。その幕開けは稀勢ノ里の引退に始まり、5日目にして鶴竜の休場とさらに大関陣の敗退と休場、そこに浮上した玉鷲と貴景勝の両関脇の躍進、一気に本場所の主役を二人に祭りあげた。
いかに横綱大関陣がだらしないとはいえ鶴竜にせよ白鵬にせよ思いもよらない敗北と休場。ここ数場所横綱陣の休場の連続が関脇以下の力士の活躍を呼び起こしてきた。特に先場所優勝の貴景勝もその一人、貴乃花部屋の解散といったアクシデントは所属する力士たちに大きな声援と同情が寄せられたのだろう。そうした中での優勝はだれもが感動を受けたに違いない。
だが、今場所を振り返るとその余韻は感動から不信にもつながった。相撲界全体の口裏合わせがあったのではないかといった疑惑である。何故今までパッとしなかった玉鷲が手のひら返すように優勝争いのトップに立ったのか、また、貴景勝がたとえ力量が上がったとはいえふた場所連続の優勝争いに、そこには少なからず何らかの後押しがあったとしても不思議ではない。両新関脇を主役に相撲界の人気を盛り上げようとした協会内の空気も伝わってくる。あってはならないことだが、貴乃花部屋解散問題、横綱稀勢の里引退問題とゆれた相撲界にあって、名誉挽回の気運が今場所に表れたのではないか、それが仕組まれた取組と人気力士優先の形となって表れたのではないかと。まことに盛り上がるべき初場所も一部のファンには喜ばれても一般にはなんとも白けた初場所となった。
取組もここ数場所、役力士同志の対戦が序盤戦に組まれ、後半戦になると横綱、大関陣が平幕との対戦が多く目につき終盤にきての盛り上がりに欠けた場所が多くなってきたのも気になるところである。相撲界はあくまで公正な立場をもって取り組んでいくべきであろう。
2019.1