民主政治の根幹を揺るがす辺野古対応

正しく民主政治の根幹にかかわる問題が沖縄普天間移設問題である。沖縄県知事選では辺野古埋め立て反対阻止の政策を前面に出した玉城氏が圧倒的な差で勝利し知事に就任した。自民党の推薦した対立候補は沖縄の活性と経済にのみ目を向け住民の本当の心を蔑にした結果が今回の知事選となって表れたといってよい。経済優先か生活優先かこの世は金だけでは治まらない苦しみがある。

騒音と危険に悩まされ続けてきた沖縄県民例え一部の住民であったとしても苦しみと悩みを持つ人間を優先的に考えるのが民主政治というものだ。経済効果を考え生活水準を上げるのはこうした問題を解決してからのことで順序が逆である。対立候補には反省していただきたい。さらにそれよりも尚叱責しなくてはならないのが政府与党の態度である。何年も前の日米合意の柵から抜けずアメリカの言いなり外交よろしく、沖縄県民の要求を一括し強引に辺野古への移設を進めようとしてきた。

民意を反映しない政治が民主政治なのかと問いたい。新聞テレビなどメディア各界はなにをしているのだ、民主主義の根幹が揺さぶられている現状をなぜ黙視しているのだ。加計学園問題、森友学園問題、セクハラ問題など遥かに小さい。辺野古移設に拘ってきた政府対応は民主政治そのものが切り捨てられ独裁政治専制政治の様相を露わにしている。このときこそ立ち上がり国民に対して呼びかけていくのがジャーナリストとしての務めではないか。

民意をどう捉える、安部内閣は民意の推薦で成立した、他の閣僚国会議員もすべて民意の上に立って選べらたことを忘れてはならない。事を進めるために民意を無視しては民主政治ではない、先ずは沖縄県民の民意を優先し日米間で新たに辺野古問題について話し合うことが優先されなくてはならないだろう。

過去においても民意を無視した政治(これを悪政という)が、さまざまな問題を起こしてきた。政治とは何か、民意を第一に考え何をするべきかを模索していくのが民主国家の政治というものだ。他国に気遣う前に先ずは自国の足元に目を向けるのが当たり前のことであろう。

2018.10


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