米朝首脳会談(水差すテレビメディア) |
6月12日史上初の米朝トップの会談がシンガポールカペラホテルで行われた。トランプ大統領、キム委員長双方が左右から歩み寄り固い握手を交わした。当初、緊張気味のキム氏もトランプ氏の対応に笑顔もこぼれ固い握手のうちに1対1の会談へと進んだ。終始キム氏を気遣うトランプ氏の態度は、年齢差そのものの表れか親が子を労わるようにも映った。会談も予定通りに進み、現地時間午後2時32分当初予定されていなかった米朝合意文書への署名が行われた。
この史上初の会談に対して、NHKはじめテレビメディアは具体的案に欠けた合意であり北朝鮮に有利な中身の薄い合意と報じた。何が中身の薄い会談だった、初めての会談で100点満点の結果など求めるほうがどだい無理というものだ。だが、そのことも承知の上か敢えてテレビメディアは中身の薄い会談と冷やかさを露わに伝えてきた。それはメディアを批判し保護主義に走るトランプ氏への対抗姿勢の表れであって、非常に不愉快に映った。
テレビ映像をよく見よ、犬猿の仲だった両国のトップがこうして互いに気遣い笑顔で握手をする姿を。誰もがその瞬間驚きの感激に浸ったのではないのか。そうした中NHKなどテレビメディアは挙ってスタジオに論客を招きその感激に水を差すような褪めた論評を報じてきた。仮にこの会談が前大統領オバマ氏であったとしたらメディアはどう伝えたか。偉大だった史上初の快挙、平和へのプレリュードとその功績を称え報じるであろう。
ところがメディア批判をしてきたトランプ氏だからこそ、重箱の底を突っつくように会談の中身の不足分を引き合いに、トランプ批判の情報を各国に流した。これらすべて反トランプ派の対抗措置であったことは衆目の一致するところである。
史上初の米朝首脳会談、会談前の冷やかだった各メディアの憶測を払しょくさせるかのように、非核化についても固い決意で誓ったキム氏の言葉を引き出した。そのことに対し、時期は何時か、検証は、不逆的な文言云々と詰め寄る記者たちこそ常軌を逸脱した輩である。何故ならそうした非核化への道筋を開いたことに意義ある会談だからである。それらは両氏の映像からも十分窺い知ることができた。初めての会談にしてはこれで十分であろう、何が不満であり中身がないのか、あれやこれやと憶測で物事を引き出し批判するテレビメディア当局に尋ねたい。
2018.6.13