疑惑深まる証人喚問 |
3月27日午前9時30分、、佐川前財務局長の証人喚問が行われた。国民誰もが知りたがっている決裁文書の書き換えは誰の指示で行ったのかの核心部分になると「捜査対象になっている・・刑事訴追のおそれがあるため答えられません」と証人は答える。端からこうしたことは想像できたのではないのか、また訴追のおそれとは、罪状を認めた上での答えでもある。国の最高機関としての国会、その証人喚問に司法の分野云々と拒否できること自体国民は納得しないだろう。
何故なら捜査対象となる前に何故証人喚問の場を得られなかったか、1年以上前の森友問題にもかかわらずである。そもそも決裁文書書き換えは朝日新聞の取材で明らかになったとある。朝日新聞は誰から何処でそうした情報を得たのか、むしろそこを国民は知りたい。今国会の証人喚問もそこにメスを入れて正すべきであった。そして捜査当局もこれをもとに捜査に乗り出したとしたならば、なにかそこにはある作為があったとしか思えない。
憶測で言うならば、当の決裁文書は書き換え後といわれる文書が本物であって、本物とされてきた文書が書き換え後の文書ではないかということ、何故なら決裁文書に個人名や政治関係者の名前など記するのは不自然であり必要はない、それらは口頭で済むことであるからだ。官僚たるものがそうしたミスを犯すとは考えにくい。それ故に朝日新聞の取材の一部始終を明らかにすることのほうが余程重要ともいえる。
野党側にとっては正に鬼に金棒の情報にもかかわらず、なぜ新聞社に先取りされてしまったのか、その点も今回の証人喚問をみて疑問であった。また訴追云々とはなんと便利な逃げ口上か、すべての真相を明らかにするための証人喚問を国会議員たちはどう受け止めてきたか。証人に都合の悪いこと(第三者への影響等を含め)は訴追のおそれと逃げる答弁を何故追求できなかったか。
これらがまかり通る国会なら今後証人喚問など無用であり、仕組まれたシナリオに沿った国会劇場そのものだ。国民を小馬鹿にするとはこのことをいう。過去にも籠池氏の証人喚問があったが国民が知りたい核心に触れると刑事訴追のおそれという伝家の宝刀を持ち出しかわしてきた。国の最高機関である国会がなぜ司法の下に下るのか、何故今回の問題が新聞紙上で発表されたのち捜査対象となったのか、すべてがグレーな政治社会、日本社会と言わざるを得ない。「泰山鳴動鼠一匹」にも等しい証人喚問であった。
2018.3.27