国民栄誉賞候補への反論 |
今朝のニュースで知った、ピョンチャンオリンピック男子フィギャースケートの羽生結弦が国民栄誉賞の候補としてその検討に入ったという。女子スピードスケート500メートルでオリンピック史上初の金メダル獲得の小平奈緒への評価はどうなってしまったか、女子としてオリンピック史上初の快挙がその影を潜めたのは甚だ遺憾である。小平奈緒はそれまでもワールドカップ15連勝の偉業を果たしさらに、1000メートルでは世界新記録樹立などの活躍をしてきた。
オリンピックという舞台は各国がどういった種目に力を注いできたかということ、そしてその競技の頂点に立つことがいかに難しいことかということをもっと考慮しなくてはならない。フィギャースケート特に男子の場合はどうか、男子のスポーツとしてはやはりマイナーな競技に入るであろう。また、候補の理由として60年ぶりの連覇というキャッチフレーズと怪我からの復帰という枝葉のことを取り上げているが、果たしてどうだろうか疑問が残る。また、こうした採点競技というのは過去においてもそうであったが、審判員の採点如何によるもので一般人の見る目とはその差が大きいこともある。さらに初日のショートでは、ライバル選手が大きなミスをしその結果、採点も大きく下回ったことが金メダルへとつながったといってもよい。
ならば国民栄誉賞とはという賞自体に問題もある。国民栄誉賞とは国民誰もが胸を張って栄誉なことだと受け取れることが重要だ。初代受賞の王貞治氏の場合はまさに正当な評価として率直に受け止めることができた。しかしそれ以降の受賞者には疑問が残る人物が選ばれたことも多々あった。マスコミを含めある特定地域の人気が受賞の対象となったということである。今回のオリンピックをテレビ等で観戦していた国民の多くはどう受け止めてきたか、女子500メートルという注目を集めたメジャーな競技、その中でオリンピック新記録というおまけまでつけて優勝した小平奈緒から誰もがその瞬間大きな感動と日本人であることへの栄誉を得たであろう。
再三言うように男子フィギャースケートはマイナーな部類に入る競技であって、ある一部のファン層や関心のある人間には感動を与えたであろうが、冬季オリンピック史上初の女子500メートル優勝という金字塔を打ち立てた小平奈緒の快挙には遠く及ばない。栄誉賞とはどういう目的の賞であってどういう人物がふさわしいのか、人気と栄誉とは別物であることは衆目のことであろう。
2018.3.2