全日本女子フィギャースケート選手権

相変わらず納得のいかないのが女子フィギャースケートの採点である。昨夜行われたオリンピック選考を兼ねた全日本選手権、紀平選手はトリプルアクセル、トリプルの連続技ののち再度トリプルアクセルを決めた。浅田真央以来のスゴ技の連続とその回転の美しさに4分間のフリーの演技に見入った。しかし採点は141点台、その後の宮原選手の演技はなんと147点台の高得点、そこで再び疑問がわいたのである。確かに宮原の演技はノーミスの素晴らしいと見ていたが、紀平に比べいまひとつ見劣りを感じてならなかった。

常に思うはショーなのかスポーツかという見方である。誰も試みないトリプルアクセルの評価が余りにも低すぎる。これは世界でも同じことが言える。以前ソ連の男子選手が採点に怒った、そして彼は技術力と演技力のどちらが大切なのかと、当時4回転は誰もなしえなかった、3回転を無難にこなした者が優勝することに対しての審査に対する批判である。男子ばかりか女子も浅田真央は常に採点の前に涙した。トリプルアクセルを跳んだ者がトリプルで無難にこなした者の下に常に甘んじねばならなかった。

再び今回の採点で当時を思い出し、フィギャースケートはショーなのかスポーツなのかと問いたい。オリンピックはスポーツの祭典である。オリンピックという場を考えれば明らかにショーではなくスポーツとしてのフィギャースケートである。ならば採点は当然その選手の運動能力つまり技術力を重視しなくてはならない。トリプルアクセルを跳んだ者がトリプルを跳んだ者より技術力は上とみなすのが常識である。観客を含め見ている側は演技の素晴らしさはその技術力の高さに目を奪われる。

見ている側をあっと言わせる技術が淡々と無難に滑る技術より遥かに上であろう。来年はオリンピックという大舞台を控えている、その昔韓国キムヨナ選手の演技に満点の評価を与えた。しかしスポーツの視点で見れば浅田真央の方がキムヨナ以上に評価されなくてはならなかった。こうした苦い経験は二度と味わいたくないものだ。今回の採点結果は、15歳というオリンピック出場資格のない選手への採点と甘んじなくてはならないのか、いまいちしっくりこないグレーの採点である。

2017.12


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