踊らされてきたスポーツ界の裏 |
日本プロ野球選手会は、来年3月に開かれるWBC世界野球選手権に参加しない方針を決めた。その理由の一つに、報酬に対するアンバランスを上げている。詳しい理由は明確に伝わってこないが、全報酬の60%強が大リーグに入り、日本プロ野球には僅か13%前後という不公平さが上げられた。正に、野球までもアメリカ主導の運営体質に、世界選手権とは名ばかりの仕組みが見えた。
また、WBCにおけるスポンサーの6割が日本企業という報道にも唖然とした。何も野球ばかりではない、サッカーはじめフィギャースケートなど人気スポーツの会場をみれば国外試合であっても、半数以上は日本の企業名が並んでいる。不思議といえば不思議な現象だ。それだけ、日本がスポーツに力を入れていると素直な評価など下せまい。
全て、世界の舞台所謂グローバルの旗の下に、踊らされてきた感が余りにも強い。当事者である企業は、このことを承知の上での資金提供なのか、その上、テレビなど放送メディアを取り込んで踊らされていることを良しとしているのか、甚だ残念な気がする。
そういえばスポーツ中継にしろ、日本ほど放映権料を支払っている国は他にあるまい。オリンピックだ世界選手権と日本人の野次馬根性丸出しのお祭り騒ぎは、他国からみれば異様に映るであろう。
何故、スポーツの世界であっても、巨額な資金提供をする構図が作られたのか冷静に考えていただきたい。そこには、須らくアメリカの傘下という悲しいお国事情が覗いてならない。大会を盛り上げるためには、巨額な資金が必要となる。その主導権はアメリカが握っている、アメリカは傘下国である日本企業に圧力をかけ、資金を拠出させているからだ。
スポーツの世界でも腑抜けた外交同様、大企業を筆頭にアメリカの思いのままの操り人形の如く多額な資金を提供する。その金を国内の雇用対策に振り向ければ、どれほど国民にとって有難いことか、考えてほしい。企業が動けばメディアも一緒する、こうしたその場限りの娯楽性が果たして必要なのか、サッカーにしても海外試合であっても、サポーターたちがわんさと集まる日本の体質は、根本から正さねばなるまい。
格差社会の抑制と叫んでみても、当の企業の姿勢が世界の云うままアメリカの思惑通り踊らされては一向に収まりはつかない。今回のプロ野球選手会の判断を契機に、我々は、世界へどう向き合っていくべきかを真剣に考えなくてはならないだろう。
2012.07