生々しい議員の素顔、法案採決

26日午後、国会は消費税法案を含めた採決が行われた。反対討論に立った議員の答弁は、須らく国民重視の具体性のある内容であった。最後に演壇に立った「みんなの党」代表渡辺氏の政府与党を叱咤する批判は、これぞ真の政治家の心意気と受け止めた。マニフェストを無視した「うそつき」内閣と、言葉は悪いが単刀直入に批判する一言一句、久々に的を得た演説に胸の閊えが下りた。それに対する賛成側の答弁は、自公民何れの議員も、いやいや合意した法案を裏付けるように、的の定まらない抽象論と自党のアピールに終始した、この時点で勝負はついた。

だが、結果は、賛成派が圧倒的多数で法案は可決された。、これが今の日本の政治である。多数決という誤った数の力だけが強調された。これでは、国民不在の党利党略の国会ではないか、その中に、民主党中間派と呼ばれる議員たちが、白札の賛成票を入れていく。野田氏など執行部に無理押しされ賛成に回った苦悩の表情が目に焼きつく。小沢派に近い議員の中にも戸惑いを隠せず白票を投じたものもあろう。

法案が党議によって拘束される、という現行法の条文こそ改めなくてはならない。何のための個であり、議員なのか、己の主張が拘束されるということは、反民主主義の政治体質となる。政党政治はどうあるべきか、今のままでは寧ろ国民にとって一利なしの悪法といえる。

投票に向かう小沢氏、鳩山氏、そして山岡氏、その前を進む賛成派の野田氏、岡田氏、前原氏等の民主党議員、君たちは誰の支持で議員になったのだ、と怒鳴り付けた。正に悪が栄える社会の構図を、今日の採決にみた。それは、人ではないロボット化した人間達がのさばる社会に例えられる

テレビの国会中継は、議員一人ひとりの表情まで映し出し、迫る緊張感が会議場から伝わってくる。国民の目はどうか、昼の中継では仕事で見ることができない、若者ばかりではない、政治不信から政治離れをしていくものが後を絶たない今の世にあって、こうしたテレビ中継は、議員一人ひとりの思惑と行動を伝えてくる。多数の国民の目が向けられる、夜の時間帯に放映して頂きたいものだ。

2012.06


トップページへ