何故公表されなかった事故以前の放射線量

福島原発事故以来おかしなことに気付いた、それは各地で放射線が検出されたにもかかわらず、過去のデータを公表しなかったのは何故かである。それは報道だけであって当該地域の住民には知らされていたのか定かではないが、とにかくテレビや新聞など身近な報道からは一切過去のデータが知らされてこなかったのは事実である。

事故以前のデータに比べて線量の増加がどうかといった情報なら風評被害など事前に防げたのではないか、また小学校などにおいても結果で騒ぐのではなく過去のデータと比較されていたならもっと冷静に行動ができたのではなかったか。

地球上いたるところに放射線は存在し発生している、例えば身近なところではレントゲン撮影によるX線の放射など典型的なものもある。そのほか、鉱物から放出されているものもあろう。ただそれは人体等に影響を与えない微量であるから、我々は一切気にすることなく暮らしてきただけのことである。

こうして半年以上経過してきたが、過去のデータの公表を意図的に止めてきたのかと、またそのデータ自体がいい加減な測定によるデータで公表に堪えないものだったのかと勘繰りたくもなる。

確かな情報の欠落が一層社会を混乱させまた、無駄な対策と出費を多く残す結果となった。事故以前のデータはすべての地域で測定されていなくても県単位では測定されてきたはずだ。県単位のデータなら、30キロ圏内の地域に当てはめてもそう大きな誤差にはなるまい。

何故、政府は過去のデータを公表させ、現在のデータと比較して国民に報じてこなかったか、公表することにより寧ろいたづらに不安を増長させ、次第によっては国家賠償というリスクを恐れてのことか、甚だ政府の対応の拙さと報道の在り方を改めて糾弾せざるを得ない。

2011.10


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