岩淵をもっと活かせ!W杯女子サッカー!

W杯女子サッカーは、日本が準決勝に進んだ。延長戦後半途中出場の丸山の適格なキックが決勝点に結びついた。そのお膳立てはこれまた途中出場の岩淵である。岩淵の突っ込みから沢へ、そして沢の絶妙なパスが得点に結びついた。他の日本選手に比べ岩淵の動きは確かに素早い、その岩淵を使いこなすことが相手チームにとって脅威となる。素早さというものは練習では生まれない、天性の素質だろう。

アルゼンチン、メッシュがそうであるように、小柄な体型にはそれなりの優れた点がある。それを活かせるか否かが日本サッカーにとって大きな課題である。身長差10cm上の外国選手と対等にプレーができるのも優れた下半身の運きがあるからだ。未だ岩淵の特性を活かせないのには理由がある、ひとつにチームプレーを重視し個人技を軽視した練習と指導陣の誤った考えが依然としてあるからだ。。

外国チーム同様、パスワークに専念しすぎてはいないかである。過日アルゼンチンチームが得点力をなくした背景に、メッシュの使い方への指摘があった。チームプレーに徹するあまりメッシュの個人技を引き出せなかったというものだ。日本サッカーにも全く同様のことが当てはまる、岩淵を前線に上げ、岩淵のドリブル力を活かせる場を作ることができるなら、強豪相手にもっと点が取れるはずだ。

岩淵の個人技を活かしきれなかったのがドイツ戦であり、イングランド戦であった。一度は岩淵にパスが渡っても、そのまま一人で持ち込まず、仲間にパスをするなど、ワンテンポ以上の遅れを生み、相手に交わされる場面を生んだ。ドリブルで突破できる岩淵の存在は他のチームにとって脅威であることは間違いない。日本サッカーの真骨頂はドリブルという個人技で相手ディフェンスを突破していくことではないか。アルゼンチンのメッシュ然り、最後は個人技の優劣が勝敗を分けるといっても過言ではない。

ドイツ戦の丸山のゴールは、セットプレーといった相手のミスから生まれた負の攻撃ではなく、敵陣に走り込んでの正の攻撃である。この勢いが後半守り一辺倒になっても持ちこたえられる原動力となったことも事実である。攻撃は最大の防御とは実戦のみではなく、選手の心理に大きく左右する。

それにしても、岩淵をもっと走らせ使いこなせないのか、こうした大舞台だからこそ相手の陣営を撹乱しドリブルがらみのゴールを期待したいのである。ニュージランド戦も後半岩淵の突進が、セットプレーを生み決勝点に繋がったのも偶然ではない、動きの速いフットワークは相手のミスを誘うものである。13日の準決勝は、丸山、岩淵のツートップという布陣で臨めるか楽しみである。


2011.07


トップページへ